作編曲家・石坂翔太、“TKサウンド”継承者としての今後の展開

「BUBKA11月号」に登場している石坂翔太
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楽曲派という言葉が死語になる前に伝えることがある!ということで始まった当連載。今回は、小室哲哉に才能を見出され音楽家として活動を開始、最近ではTKサウンドを継承した楽曲を多数リリースしている、石坂翔太が登場。アイドルながらTKサウンドを詰め込んだグループ「HiiT FACTORY」のメインコンポーザーとして活動する彼に、これまでの経歴、さらにTKサウンド継承者としての今後の展開について訊いた。

学祭でトランス

――小さい頃からずっとTMが身近にある環境だったんですか?

石坂翔太 父親がUTSUさん(宇都宮隆)の事務所をやっているので、物心つく前からTMを歌っていたらしいです。みんながアンパンマンだウルトラマンだ言ってるなか、それにはまったく興味なく、TMのコンサートに行きたい行きたいって言っていたという。

――そういう環境だったから、音楽を始めるのも自然に、という感じですか?

石坂翔太 鍵盤を始めたきっかけは、父親が会社から借りてきたのか貰ってきたのかわからないですけど、EOSの鍵盤が家にあって、それをオモチャ感覚で弾くようになったことです。当然、TMの曲を弾きたいからと独学でやるようになって、単純にその延長線上が今です。

――いわゆるピアノ教室に通って、みたいな始まりではなかった。

石坂翔太 まったくです。音符もいまだにドがどこかも怪しいくらいです。小学生の方が楽譜読めると思いますよ。大げさじゃなくて本当にそうなんです(笑)。楽譜読んで即座に弾ける人はすごいなと思います。

――TMを弾きたいと思って耳コピしていくなかで、オリジナル曲も早い段階で作るようになったのでしょうか。

石坂翔太 それこそ小学校低学年の段階でEOSで打ち込みしてましたね。僕はゲームとか漫画とかアニメとかを一切通ってなくて、早く帰ってシンセを触りたいから友達とも遊ばない子だったんです。親も「いじめられてるんじゃないか」って心配しちゃうぐらい誰とも遊ばない少年でした。そこから、小学校6年生ぐらいのときに4チャンネルのカセットMTRを買ってもらって録音するようになりました。中学校1年生の誕生日にアナログシンセのJP‒8000を買ってもらって、シンセとシンセを重ねることを学んで、歌が好きな女の子を呼んで歌を録らせてもらって、みたいな。4チャンネルでいろいろ頭使って録音していた経験が今のDTMに活きてきてるのかなと思います。

――バンドを組むよりも宅録の方が早かったという。

石坂翔太 中学2年の文化祭のときに、どこかの楽器屋さんからでっかいスピーカーを何発も借りてきて、シンセを並べて、全校生徒を集めてトランスやったりもしました。ドンシキドンシキドンシキって。全校生徒ドン引きでした(笑)。

――中学でトランスはやばすぎる(笑)。その後、PurpleDaysはどういう形でできていったのでしょうか。

石坂翔太 知らない番号から電話がかかってきて、出たら「小室哲哉です」と。「TMネットワークの後継者を作りたいから、この後うちに来れる?」ってことで、その時一緒につるんでたギターの人間と行ったんです。それでボーカルがいないよねって話になって、ギターの友達の友達を連れてきたという流れでした。僕が19歳の時に結成されました。

――小室さんの電話一発でことが動いたんですね(笑)。ギターの鈴木俊彦さんとは学校の友達ですか?

石坂翔太 学校は違うんですけど、高校時代にちょろっと組んだ企画バンドで一緒になったんです。

――そこではどういう音楽をやっていたのでしょうか。

石坂翔太 どんなのかも忘れちゃうくらい普通のバンドですね。それと同時期に組んでいたバンドがありまして、そっちはHOT WAVEが組んでいたYHMF(ヨコハマ・ハイスクール・ミュージック・フェスティバル)というコンテストで日本一になったんですよ。日韓合同だったので、日韓一位か。

――すごい。そのバンドは続かなかったんですか?

石坂翔太 続かなかったです。青春パンクじゃないけど、普通のそういうバンドだったので、僕がやりたいのとは違うので辞めちゃったんです。

――やりたい音楽性はともかくとして、やはり若い頃から才能があったんですね。

石坂翔太 才能というより、好きだったので誰よりも時間をかけたんでしょうね。部活もやらずにやってましたし。これも余談なんですけど、そのバンドがイヤすぎて、レコーディング中に倒れて記憶喪失になっているんですよ。

――え!?

石坂翔太 その話がTMの「電気じかけの予言者たち」という本に載ってます。昔、小室さんとサッカーゲームをしていた時に、「勝ったらIndigoの世界に何個かしかない限定版のシンセがほしい」と言ったら、「それはさすがにあげられないよ」って言われたんです。結局、負けちゃったんですけど、記憶障害で入院したことを聞きつけた小室さんがそのシンセを父親に渡して、病室にドンと置かれたんです(笑)。

―― 一個一個のエピソードが強すぎます! 小室さんとの縁があってPurpleDaysが結成されるわけですが、そこでやりたい音楽をやれることになると。

石坂翔太 PurpleDaysはTMの後継者というのがそもそものテーマでしたし、好きなものだし得意なものということで必然的にTKサウンドになりますよね。で、3、4年で活動休止になるんですけど、avexと契約が切れるタイミングでよしもとが拾ってくれて、つぼみ大革命だったり韓国のユニットの曲をやりだすという。

取材・文/南波一海

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石坂翔太いしざか しょうた|1986年 8月12日生まれ。2010年、小室哲哉氏に見出され、avex よりデジタルロックユニット、PurpleDaysとしてメジャーデビュー。活動休止後、作曲、アレンジャー、キーボーディストとして数々のアーティストに携わる。そして、アイドルグループ「HiiT FACTORY」でメインコンポーザーを務める。

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