杉作J太郎が語る『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

杉作J太郎がアニメについて語る

魔女じゃなく美女

第1クール最終回となる第12話はとにかく話題になりました。第11話が感動的な話だっただけに、みんな衝撃を受けたでしょうね。とにかく第11話は幸せすぎでしたから。でもね、あまりにも感動的ゆえ僕はある程度の覚悟はしていたんですよ。僕もたくさんの映像作品を観てきましたし、作ってもいますから分かるんです。これは荒れるフリだぞ!と。新日本プロレスで例えたらブルーザー・ブロディ襲来!のような波乱はあるだろう、と。そして世の中で物議を醸した第12話ラスト。これもネタバレは避けますが、言っておきたいのは“作品ではすでに戦争状態にある”ということ。ラストのスレッタもね、『プラトーン』や『ディアハンター』といった戦争映画ではよくある話なんですよ。だからあのスレッタをあんまり悪く言わないで! と言っておきたいです。そう、いま実際にロシア・ウクライナ間で戦争が起こっていますよね。日々、ウクライナの悲惨な状況が映像として伝わってくる……そんな時代に作られている作品、ということを意識して観てほしいです。

第12話の話題性から『チェンソーマン』や『スパイファミリー』を観ていた層が、これから後追い視聴を始めると思います。そういう方のために言っておきたいのは「プロローグから見るのが大事」。プロローグではスレッタの子供時代……とおぼしき姿が描かれるんですが、これを観ているのと観ていないのでは第1話の印象が違ってきますから。そんなふうに『水星』はとにかく謎が多い。なので『水星』はガンダムシリーズというより、どちらかといえば『新世紀エヴァンエゲリオン』に近いかもしれませんね。いや、謎解きを楽しむという点では『江戸川乱歩の美女シリーズ』かな? みんなスレッタやプロスペラのことを“水星の魔女”と呼んでいますが、僕は彼女らを「水星の美女」と呼んでいますからね。うん、僕にとって『水星』はガンダムシリーズではない! 美女シリーズです!!

とにかくこれから『水星』を観られる方にハッキリ言っておきたいのは、「『水星』は過去のガンダムとは全く関係ない!」ということ。第12話を観て「これこそガンダムだ」とか「やっとガンダムらしい話になった」とか言っている人がいましたが……そういう観方をしている人には、これからの『水星』を楽しむことは厳しくなってくると思います。だって『水星』は全く新しいコンテンツを作っているわけだから。作り手側も過去作と比べられるのは望んでいないと思いますよ。だから昔の知識を捨てたもの勝ち!……と言っている僕自身がデアゴスティーニの『隔週刊Gメン’75 DVDコレクション』を現在45巻まで揃えているわけですが。まあ、昔のものだからといってなんでも捨てていいわけではないですからね。

とにかく過去のガンダムシリーズをまったく忘れて観たほうがいい。今回の作品だけを見て判断しなくてはいけないと思います。あと、『水星』には恋愛要素もあるんですよ。スレッタは恋に恋する女の子で、この恋の行方も見どころのひとつです。僕は独身なんですが「進めば2つ」マインドで今ついに結婚したくなっているんですよ。是非ともスレッタはハッピーエンドを迎えてほしい! だってスレッタは僕なわけだからね。……ただ、スレッタがどうなっていくかはプロスペラにかかっていますから。もし第2クールで恋愛要素がなくなっていたら絶望しますよ。とにかく今の僕は能登麻美子に操られているんです!

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杉作J太郎|詩人・映画監督・DJ・ラッパー…etc。南海放送ラジオ『杉作J太郎 ファニーナイト』(毎週火~金19時~21時30分、毎週土 21時~23時)でパーソナリティを務める。アマゾンプライム見放題など各種配信サイトで監督作品配信中。

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