2022-12-04 06:15

クリープハイプ尾崎世界観、「生きづらさ」ゆえに感じる「生きやすさ」…吉田豪による新連載スタート

「BUBKA1月号」吉田豪による新連載、初回ゲストはクリープハイプ・尾崎世界観
「BUBKA1月号」吉田豪による新連載、初回ゲストはクリープハイプ・尾崎世界観
撮影/河西遼

プロインタビュアー・吉田豪による新連載が始動! 今回のテーマは「吉田豪とミュージシャン」。初回のゲストはクリープハイプの尾崎世界観。音楽だけでなく文学の世界でも活躍する彼の、創作活動の原動力についてじっくりと話を聞いてみました。

「居場所がない」

――尾崎さんは水道橋博士の『メルマ旬報』に執筆したりと近い世界にいるのに接点がなかったので、1回ちゃんと話してみたくて連載初回のゲストに呼ばせていただきました。

尾崎世界観 そういうことだったんですね。ありがとうございます、うれしいです。

――サブカルな若手がなかなか出てこないってずっと言われてるんですけど、なぜかミュージシャンにはそういう枠の人がいると思ってて。たぶん尾崎さんもそっち側ですよね。

尾崎世界観 どちらかというとそうですね。

――これはなぜかと思ったら、ボクが考えるサブカルの直訳は自意識過剰なんですよ。

尾崎世界観 なるほど!

――考えなくていいことを考えすぎちゃうタイプという意味ではミュージシャンにそういう枠の人が多いんだろうなと思うんですね。

尾崎世界観 そうですね。でも最近は芸人さんにも増えてきましたよね。そういう意味では、逆にミュージシャンがそこまで……。

――考えてない(笑)。30代、40代くらいのミュージシャンに多いぐらいですかね?

尾崎世界観 最後かもしれないです。あとは若干そこに影響を受けてる若いミュージシャンはいるかもしれないですけど。ちゃんと影響も受けつつ、自分でももともとそうだったという人は、30代半ばくらいが最後かもしれない。

――バンドってたいへんじゃないですか。

尾崎世界観 たいへんですね……。でもメンバーのほうがたいへんだと思います(笑)。クリープハイプってワンマンバンドに見られがちで、それもそれでけっこうたいへんなんですよね。ワンマンバンドでいるためにめちゃくちゃ努力をしている。周りから「自由にやってるんでしょ」ってよく言われるんですけど、そのワンマンバンドに見える形を作るまでの過程がけっこう面倒くさくて。自分なりに気を遣っています。そういうバンドが好きだったんですよね。銀杏BOYZとかエレカシとか。

――子供の頃からいろいろ考えすぎちゃうタイプだったとは、いつも言ってますよね。

尾崎世界観 そうですね。でも、バンドを始めてからよりそうなりました。自分のことを好きでいてもらわなければ成立しないという感覚だったので。まず曲を作って、その曲を演奏してもらわなければいけない。自分は曲を作ってるし、それを自由に歌ってるから、まだ理屈では理解できるんですよ、自分がやってる表現として。ただバンドメンバーは人が作った曲を演奏して、そこに賭けなければいけない。それが売れるという保証もないのに。ある種、お客様という感覚もあったんです。だからまず自分のことを気に入ってもらって。スタジオ代も均等に割るわけだから、まずそういう人がいてくれなければ始まらない。

――まずは身内に「こいつを応援して人生を懸けてみよう」と思わせなきゃいけない。

尾崎世界観 そうです。最初にバンドメンバーをファンにする。いまだにそれは抜けないです。MCで何を話すかも言わないし、やっぱりすごいなこの人と思わせたいので、お客さんと同じタイミングで「あぁ」ってメンバーを感動させたい。メンバーもかなり替わったので、うしろ向きな気持ちもやっぱりありましたね、いつかいなくなっちゃうんじゃないかという。だからメンバーに対して過剰に求めちゃうんですよ。自分のことをどれだけ見てくれてるかとか。ちょっとでもそれがうまくいかないと、もうダメだって勝手に考えすぎて。自分の悩みのほとんどがバンドメンバーとの関係にありましたね。あと、サブカルの話ができる人がほとんどいなくなりました。新井英樹さんの漫画とか魚喃キリコさんの漫画の話ができる、そういうバンドマンがいなくなっちゃいましたね。

「BUBKA1月号」コラムパック

Amazon Kindle

楽天Kobo

Apple Books

紀伊國屋Kinoppy

BOOK☆WALKER

honto

セブンネットショッピング

DMM

ebookjapan

ブックパス

Reader Store

COCORO BOOKS

コミックシーモア

ブックライブ

dブック

ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

Twitterでシェア

関連記事

BUBKA RANKING5:30更新

  1. すべての球団は消耗品である「#3 1999年の野村阪神編」byプロ野球死亡遊戯
  2. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  3. 【BUBKA2月号】栗栖正伸、イス大王が語る遅咲きヒールとしての苦節50年
  4. 船木誠勝「ガチンコでやれば八百長って言われなくなる 単純にそう思ってましたね」【UWF】
  5. Uインターの生き字引 鈴木健が語る 髙田延彦vs北尾光司戦の真実
  6. 【BUBKA2月号】天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第38回「蝶野正洋」
  7. 吉田豪新連載「what’s 豪ing on」Vol.2 向井秀徳
  8. 乃木坂46与田祐希「『難しいからやらない』『あきらめる』っていうのは絶対違うなと思う できる限りは全力で挑戦したいなって思います」
  9. 天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第46回「渕正信」
  10. ハチミツ二郎×掟ポルシェ対談…孤高のショーストッパーの生還
  1. 39年前のサザンの名曲がCMソングに…綾瀬はるかと河合優実が初共演
  2. 乃木坂46・遠藤さくらに齋藤飛鳥の影!?ドームツアーで放った圧倒的存在感の理由
  3. 「ひなたフェス2024」がついに開幕!野外ライブでブチ上がる楽曲『キツネ』の合法的飛び跳ね方のススメ
  4. 乃木坂46ドームツアー考察”2年連続座長”のエース・井上和の涙から感じた「乃木坂46らしさ」とは?
  5. HKT48『僕はやっと君を心配できる』MV公開!Wセンター石橋颯「胸がぎゅっとするようなメンバーの表情がたくさん」
  6. 乃木坂46田村真佑&池田瑛紗、“期の最年長”ペアが語るグループの現在地
  7. 日向坂46「ひなたフェス2024」開催直前!大興奮の松田好花が「見ないでほしい」ほど恥ずかしいものとは!?
  8. 鈴木みのるインタビュー、帝王・高山善廣のこれまでとこれから
  9. 乃木坂46「真夏の全国ツアー2024」7公演総動員数26.5万人…聖地 明治神宮野球場で終了
  10. 日向坂46・四期生が誰よりも高く跳んだ日━━武道館3Daysで見せつけた実力と一体感、そしてハッピーオーラ!