元チャットモンチー・高橋久美子「エビ中は、バンドっぽい感じがした」<私立恵比寿中学の音楽のすべて>

“朗読”という核を託せる存在

――高橋さんとエビ中との出会いは『朝顔』になりますが、その前からエビ中のことは知っていましたか?

高橋 もちろん名前は知ってましたし、曲も聴いたことはあったんですけど、そんなにくわしくは知らなくて。それで、歌詞を書かせていただくことになって、あらためて聴いたり見たりしてみたら、ちょっとバンドっぽい感じがしたんですよね。もちろんアイドルグループなんだけど、私たちがやってきたチャットモンチーとか、なんかロックな匂いがする人たちだなと思ったんです。だから、〈約束を破ります〉(『朝顔』の歌詞の一節)と歌ってもらいたいなぁと。そういうロックなフレーズを入れても、この人たちならいけるんじゃないかという直感がありましたね。それで、『朝顔』にはけっこう強い歌詞をたくさん織り交ぜました。朝顔って普通は朝咲く花なんだけど、夜に蛍光灯に向かって咲いてる朝顔を見つけたことがあって。そのことを歌詞のモチーフにして、けっこう変化球だと思うんですが手応えがありました。めちゃくちゃいい歌詞が書けたと思って、先方に渡したのは覚えていますね。

――『朝顔』は、メンバーのどんなイメージから発想がスタートして、どういう流れでこの歌詞になっていったんですか?

高橋 当時のメンバーさんたちの年齢が、22~23歳になる年だったと思うんです。それで、自分が同じ年齢だった時のことを考えると、すごいグラグラしてたなと思い出して。もう、何でも許される10代ではなく、社会人になる年代というか。そういう時期のグラグラした部分と、でもこのまま大人になりたくない、世の中に反発したい気持ちもまだ渦巻いていて。それで「朝顔は朝咲くとは限らないよ。大人はそう思い込んでるかもしれんけど、そうじゃないときだってあるよ」と。子どものときの約束を破ったり、優等生っぽくまじめにしてきてた自分だけでもないよって。当時のエビ中と同じ年齢の頃の私なら「私は、朝咲くだけのまっすぐな朝顔じゃないよ」っていうようなことを歌いたかったというか。重ねてしまって申し訳ないんですが、ちょうどチャットとしてデビューするかしないかぐらいのときだったかな。フリーターをしながらバンドを続けてた時代だったと思うんですけど。これくらいちょっとひねくれてるというか、「それでも私は私の道を行くんだ」っていう強い自我を歌ってくれたらいいなって思いました。それで、「まっすぐでもないけど、自分は自分の道を行く」という物語を書きました。明るい曲調だからこそ、少し毒や棘みたいなものを秘めた歌詞にしていったんです。

――作詞をされる場合、曲調が歌詞の内容に作用することは多いんでしょうか?

高橋 そうですね。メロディアスで美しい曲であるとか、『朝顔』のようにポップで明るい楽曲の場合は、少しだけ棘とか毒を混ぜたいって思ったりします。でも、『朝顔』に関しては、特に彼女たちだからというのはありますよね。今の彼女たちなら、こういう曲を歌ってもいいんじゃないかなっていう気持ちはあったと思います。

――まったく同じ曲調だったとしても、エビ中じゃなかったらこういう歌詞にはなっていなかった?

高橋 なっていなかったと思いますね。

――エビ中には『大人はわかってくれない』という楽曲がありますけど、そういうメンタリティが似合うんですよね。

高橋 似合うんですよ! そうなんですよね。女子からもモテるみたいな(笑)。同年代の女子からも、「だよね! だよね! うんうん、わかるよ!」っていう感じがロックだし、ちょっとバンド気質があるって、そういうことなのかもしれなくて。

――インタビューの続きは発売中の「BUBKA4月号」で!

高橋久美子|作家・作詞家。ロックバンド、チャットモンチーのドラマーを経て、2012年より、詩、小説、エッセイ、絵本等の執筆の他、様々なアーティストへの歌詞提供も行う。主な著書に小説集『ぐるり』(筑摩書房)、エッセイ集『旅を栖とす』(角川書店)、『いっぴき』(ちくま文庫)、詩画集『今夜 凶暴だから わたし』(ミシマ社)等がある。

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