RHYMESTER宇多丸のマブ論、今月もまたまた傑作大渋滞で「実質10曲チョイス」

RHYMESTER宇多丸のマブ論

いつも言ってるけど今月も、豊作過ぎて大変だ! 作詞作曲編曲tofubeatsの先行配信曲『フィロソフィア』(当然悪いわけない)を含むフィロソフィーのダンスのEP『Red Carnival』はリリースがジャスト〆切日だったので来月回しにするとして、それでも10月号に続いて実質10曲チョイスということにしないと、とても量と質に追いつかない状態。

まずは何しろ、HALLCAのEP『Seaside Bar』…… 本人の作詞作曲に加え、Especia期からの盟友たるBlackstone VillageとPellyColoが半分ずつアレンジを手掛けるという鉄板のシフト! Blackstone Villageによる冒頭の四つ打ち『Dream Dancer』も最強でしたが、ここで一曲選ぶならやはり、フュージョン感覚がひたすら気持ちいいPellyColoトラックにHALLCA十八番の浮遊するメロディが最高に映える、『Inner Heaven』を。

フュージョンという意味ではさらにガチなのが、CIRGO GRINCO『Shooting Star』。何しろ作編曲は、フィロのス『ドント・ストップ・ザ・ダンス』リミックスも鮮烈だったDIZOLVEのドラマー山本真央樹! バチバチにキメが入る彼らならではのアクロバティックな曲展開に、パワフルな歌詞をビシッと乗せてみせたジェーン・スーもお見事。

Negicco・Megu の『白いスターダスト』は、324P(さよならポニーテール)がプロデュースしたミッドテンポのウィンターソング、昨年の『So good』と連なる(つまりハルカリ『ドライバーズ・ライセンス』とも通じる)ドリーミーなムード、アンニュイなラップがたまらない!

アンニュイな表情と言えば、虹のコンキスタドールやでんぱ組.incを経て現在はVtuberとなった根本凪のEP『lume dispica』収録曲、cat nap作詞作曲『ラベンダーミルクの思惑』も素晴らしかった。

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宇多丸|ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパー。放送業界の最高栄誉「ギャラクシー賞」を受賞するなど、メディアでの活躍もめざましい。

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