R-指定(Creepy Nuts)が語るスチャダラパーの時代

R-指定(Creepy Nuts)
写真/河西遼

――そう。ECDさんと高木完さんが参加した、いわゆる音楽メディアに対する批判を歌った曲なんだけど、スチャが自分たちの受けたインタビューを隠し録りして、インタビュアーの質問に対して「寒いんだもん」って陰口を言ってる部分が曲に挿入されてて。あれはこの仕事に就くまではヘラヘラ聴いてたけど、いまは怖すぎる(笑)。

R-指定 たしかに(笑)。特にあの時期のスチャを改めて聴いて思ったのが、世の中への不満や、自分たちに向けられる目、自分たちの扱いを曲にすることで、それが結果的に世相を斬ることになってみたいになってておもろいなと。

――それは、SDPが基本的に個人の自意識や自我を歌わないからでもあるんじゃないかな。

R-指定 あぁ~、なるほど。

――「SDPとしての自意識」なんだよね。Bose、ANI、SHINCOの自我を歌う曲って、“セブンティーンブギ”とか“その日その時”ぐらいで、ヒップホップグループとしてはかなり比率として少ない。それは「3人でリリックを書くから、そもそも最初からリリックに社会性を帯びてる」ってBoseさんは話していて。2MC&1DJのベテランであっても、RHYMESTERとの大きな違いはそこにあると思う。

R-指定 確かに。「自分がどうなのか」「自分がどう傷ついて葛藤してるか」みたいなことは言わないですね。

――「SDPとして何にムカついているか」と「個人として何にムカついているか」は、かなり意識的に切り離してる。というか、メジャー1作目なのに、こんなに不平不満を作品に落とし込むというのは、どういうことなんだと思うようなアルバムだよね。

R-指定 特に初期は文句多いっすよね(笑)。

――もはや文句しか言ってない(笑)。

R-指定 でもその文句の対象が「空気」なんですよね。SDPは空気にキレてるというか。それが日本人が持つ反骨という感じがしますね。アメリカのヒップホップの反骨精神は、貧しさや環境から生まれる部分が強いと思うんですよ。「ウータン・クラン:アメリカン・サーガ」とかまさにそうじゃないですか。

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