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眞木蔵人『東京って山ではマーダーが来たり、ジェラスされたり』 書籍『アイアムベックス スプレッド ザ ラブ』ダイジェスト(12)

2014年2月に発売され小説家・高橋源一郎をはじめ絶賛の嵐がおきた、俳優でサーファーの眞木蔵人氏のエッセイ集『アイアムベックス スプレッド ザ ラブ』。北野武監督をして「心地良く耳が痛い」と言わしめたその言葉の一部を掲載する!

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09年BUBKA収録「マウンテンサバイバル」(後編)

(前編より)

 遭難しないためには、山のラインをチェックするのが必要なんだ。俺はスノーボードするために山を登る時、ここは攻められそうだとか、ヤバそうだとか、しっかり地図に書いていく。あそこで右きって、左きって、あそこではナダレが起きそうだから、ここで一回待ってチェックしようとか、しっかりルート作りをしなくちゃいけない。都会もそれと同じようなもんだ。

 彼女はずっとピークを攻めていた。脱いだ、稼いだ、本を売った。東京のピークを攻めたんだ。ただ山ではナダレが来るから、それをうまく避けないと。それで自ら引退した、そのビハインドでは色んな事情があったと思う。何があったかは知らないが、それこそが層表ナダレみたいなもんだから。そういうのが来はじめると、最後にドワーンとデカいのが来るから。それはヤバくて、もう遭遇したらそれで終わりなんだ。回避するためには、いまのキャンプを離れて、実家に戻って遠くから自分のことを見てみたり、ハワイに行ってゆっくりしてみたり。シンプルに言えば自分を客観的に見ることが必要になる。都会ではそういうものを見失っちゃあいけねえ。

 雪山にはナダレだけじゃなくて、雪の下が深い谷になっているなんて危険もある。東京でいえばマーダーかもしれないし、ドラッグかもしれないし、金かもしんない。そういう、落とし穴が都会ではあちこちにあいている。それがある時は、一気に越えて行かなきゃいけない。自分の最高のスキルをもって、自信とそん時の勢いで目標に向かって一気に走れば、穴を飛び越えていける。

 東京って山はものすごくヤバい。ここではサバイバルしなきゃいけないんだ。だから俺はここに住まないんだ。ここはヤバいと思って、違う山に行っている。でも、たまに来なきゃいけないから、この山からどうしたら無事に生きて帰れるか、今でもマウンテン・サバイバル・スタイルを勉強中。

 同じ山のぼり系の人間として、今は彼女の死がただ悲しいと思う。

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